2018年 01月 11日 ( 1 )

トゥンブクトゥから東に80km //チュニジア情勢とインテリジェンス

あらためましてあけましておめでとうございます、チュニジア物産ダール・ヤスミンの代表取締役 道上朋子です。日本に一時帰国しています。北アフリカと中東の仕事にかかわってもう15年目、25歳の私は初めの数か月なんとすばらしいホスピタリティ、「アラブ人最高!」と叫び、2年後は「アラブ人と二度と仕事をしたくない」と自分で決めつけ、今は、、、、、ふむ、あなたはイタリア系?なるほど。ああクレタね、イエメン人が先祖?さすがに真面目だわ、マルズーギさんですか?サハラですねぇ、遊牧オリジン、そりゃ詩的なスピーチ得意ですね、ふむあなたユダヤ・スペインですか。さすが商才と細やかさあるわ。電話とSMSとメール一緒に送ってくる確認の仕方のすごいですね、うわっばあちゃんのタトゥーかっこいいですねご家族アマジグですよね?…とだいぶ「北アフリカ」にいる人々をアラブと決めつけず、人々の仕事のやり方や性格、ひいては苗字をきいて、面白がりながら勝手にゾーニングしております。

さて、2015年3月18日、日本人3人もなくなったバルドー博物館テロ襲撃事件から、チュニジア経済は革命以降いっそう落ち込み、国として国力はますます弱まりながらもセキュリティーに力をいれていることを全面に打ち出してきました。その間、毎月のように治安部隊と青年テロリスト?(頭が悪いけど心が真っ白な青年たちが洗脳されて、武器を持ったにすぎない)たちがやりあったり、リビア国境沿いでカラシニコフなどがごっそりでてきたりとニュースが続き、、今日にいたります。
観光客の数は少しずつ戻りつつあり、特にロシア、中国が急成長となっています。元いたフランス、イタリア、ドイツ、次にイギリス、中欧の延びはゆっくりです。
トランプの問題発言、特にエルサレムをイスラエルの首都にせよ、というもの、ほか中東情勢や法案議決の動きがあるたびにチュニス中心や各地で各題目のデモとテロのうわさが出回りますが、大事に至りません。2018年1月1日早々の税率引き上げ+ガソリン料金引き上げ法案でデモと暴動が飛び火しまくっているようですが・・・・
(チュニジアの各局のラジオ、テレビはその中継をしているので、ニュースはすぐネットで入ってきますが、日本ではまったくニュースになりません。どこの中東/アフリカの国の騒乱もそうですね)

私はチュニスではこの2年半民泊を運営しておりまして、この観光客のトレンドとはまったく関係なさそうなゲストを毎月20人ほどお迎えしております。中心地に位置し、なんといっても長期割引があり安いので(日本人が運営しているからか?)、集まるのはほとんど欧米の修士・博士のチュニジアの何かを切り口にする政治経済/文化人類学研究者または学者とフリーのジャーナリスト、そして語学留学生。例外は月に数名いらっしゃいます。2017年の年末にちょっと例外のそのおじさんがいらっしゃいました。名前はイブラハムさんなのでイスラム教徒、パリより。
お迎えするときはそこまでしかわからない。すぐイメージするのは北アフリカ人フランス移民か。
到着して、オリエンテーションが終わる、とてもゆっくり丁寧なフランス語を話す。
テーブルでBBCニュースを食い入るように見るイブラハムさん。テレビの向こうまで透視するかのように見つめる。内容はほぼトランプのエルサレム発言。
「・・・・、イブラハムさん、すいません、あなた、どちらから?」
「え、パリですよ」
「いえ、オリジンは?」
「サハラです。」
「サハラ・・・って、あの広いですけど、どの辺?」
「トゥンブクトゥから東に80km、遊牧民です」
「きょえええええええ」
あのトゥンブクトゥから東に80kmというアンサーに震え感動してしまいました。
彼の話をまとめると、元マリ人の彼は18歳で奨学金を得てアメリカにわたり修士、博士をとる。アメリカで少し教鞭をとったああとマリに戻り大学で勤め、子供4人ヨーロッパとカナダに住む。2013年あたりにマリのISIS分派に町、自宅を完全に破壊され、フランスに亡命申請。妻とパリで二人暮らし。マリ人の親友が入院したというのでパリからお見舞いに。

彼はゆっくり、じっくりいろんな話をしてくれました(さすがマリのサハラの民!)。教鞭をとっていたからか、リピートも非常に多いので記憶に残る。(ときどき多すぎた)
 武器と軍の話の一部。
「人間は武器は持つものではない。あなたの前に武器を持っている人がいたら恐ろしくて警戒しますよね?あるいは自分の身に危険がさらされると思って、逆に先に攻撃されるかもしれない。
武器をもっていたらいっそう危険である、防御のため?そんなわけがない。たとえば核をもっていると言ったら、その国は脅威で、周りはつぶしたくなる。
本当に人間という人間を守るのは、知性インテリジェンスだけだ。経験と学びで知性を磨けば自分は守られるもんでしょう!」
…そうだ、テロの青年よ、なぜそんなに勉強しないんだ…仕事がないって、勉強しなすぎだ。世界平和は全員が武器つくらなければすむけどそういうわけにいかない。米国の主力産業武器産業・・・
 というわけで、勉強の大切さを近所家族の子供たちにいいながら日本に戻ってきました。
 最後に、トゥンブクトゥから東に80km出身のイブラハムさんが連呼した言葉
「オリーブの木、この木目の美しさは絶大だね、この木はすばらしいね、このコップでミルクを飲むんだ、ミルクは脂肪分があるからオリーブの木のコップを強くする。このコップでミルクをのむとさぞかしいいだろうね」と半日眺め、眺め、さわり、触りまわして、、、、一個買って帰られました。

 2018年オリーブの木の中小雑貨に力を入れてまいります、
今年どもなにとぞよろしくお願いいたします。

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by daryasmine | 2018-01-11 16:44 | チュニジア ニュース


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