チュニジア、と言えば、の問いに対する答えとして、一番多いのは・・・ 『どこ?』
という、残念な結果が今のところ。
オリーブ、デーツ、ビールにワイン、柑橘類に海産物、料理で言えばブリック、ハリッサ・・・
身近なところでも実はたくさん日本に届いているのです。
そしてそして、当店ダール・ヤスミンでご紹介しております、数多の民芸品。
その中でも最も歴史があり、世界的に知られているものといえば「モザイク」です。
紀元前4000年ごろに始まったとされる装飾美術、医師や貝殻などの小片をモルタルなどの
接着剤で貼り付けていたものがギリシャ、ビザンチンと時代を経るうちに、建築物の床を飾るものとして発達しました。
チュニジアはかつてカルタゴと呼ばれる、ローマと地中海の派遣を争った強国であり、ローマ時代の繁栄の証としての
建築が多く残されています。そして、その建築物を飾っていたモザイク美術を一堂に集めたのが、国立バルドー美術館。
海外からの観光客は必ずここを訪れる、と行っても過言ではないでしょう。 かく言う私も、初めてチュニジアの地を踏んだ
空港から、まず向かったのがバルドーでした。見るだけとはいえ美術ファン、モザイク画に興味関心があった私には、
チュニジア、といえばバルドー美術館でした。
そんな経緯もあり、日本にいる間、イタリアで学ばれた先生にモザイク制作を習い始めました。
今回、チュニジア滞在中にその先生がチュニジアのモザイク技法を見たい、ということでチュニジアへ、やはりモザイクを習っている
お友達といらっしゃり、チュニスはデンデンにある伝統工芸省:『民芸村』の中のモザイク工房にモザイク制作教室でチュニジアの
モザイクづくりにお供してきました。
伝統的なデザインのみならず、肖像画やサインボードなども手がける工房へ。
中へ入った瞬間から、おおおお〜!という歓声とともにたくさんの、大小さまざまなモザイクに惹きつけられまくり。
こちらではチュニジアの象徴、とも言うべきオリーブのひと枝のデザインを作ることにしました。
まずは用意された鉛筆のような細長い石をカットするところから。
いつも使っている道具とは違い、バネがなく力がいるタイプの大きなペンチの扱いがなかなか難しく、もたついていると
『指導員』のモハメドさんがサクサクと手際よく、切ってまわってくれました。
メインのオリーブの部分は、下書きの絵に合わせた石を切りつつ、のりのついた基盤に石を置いて貼っていきます。
どこにどの石をどう置くか、が大事な要素で、石の向き、並びによって画の質感や雰囲気がガラッと変わってしまうのがモザイクの
奥深さ。 表したいもの(デザイン)の構成や線の流れなどを意識して俯瞰的に見ながら石を並べていくことが必要・・・
とはいえ、初心者向けの体験教室であり、ざっくりとした大きめの一片を用いての製作でしたので
さらっとできるものかと思っていたら、丸い基盤の中を直線の石で周回するように埋めていくというのはなかなかの難易度。
さすが、先生は構造を理解されているのでテキパキ作業されていましたが、まだまだ初心者の私は
迷ってばかりで明らかにスピードが遅く、どう?と覗き込んだモハメドさんが、いやいや、これはこうだね、と直しまくり。
モハメドさん、モザイク職人のイメージと違ってずいぶんと大柄、聞けば元ボクシングのチャンピオン(チュニジア国内?)とのことで、
なぜこんなところでモザイク職人?と思ったものの、細かな作業には不釣合いの大きな手、太い指でも小さな石を切り出し、それをスパッと
ピンポイントで貼っていくのはさすがの職人技。
作業を楽しみすぎて時間が押してしまい、工房のオーナーも加わっての仕上げ作業で無事石貼りが終了。
この時点ではあるがままの、石そのものの質感と色で、クリアですっきり、な感じ。
(写真のものは補強をかけ石が剥がれないようにした段階のもの、おもて面に繊維を貼るため、結果として出来上がりのデザインは反転する)
モザイク画としては完成しているように見えるのですが、肝心なのはこの先の作業。
本来なら体験参加者がやるのはここまで、仕上げ作業は工房で行ない、翌日以降のお渡し、と言うのが通常の流れなのですが
石貼りはプロの先生が知りたかったのはこの仕上げ作業。モザイクの技法と同様、場所によっていろいろなやり方があるそうで、
チュニジアでお土産品などとして販売されているものがあわせ持つ、軽さと丈夫さをどのように出すのか、が
この体験教室のメインの目的でしたので、どのようにするのかも見せていただきました。
仕上げ作業中のモザイクたち、これからみががれるところ。
ダールヤスミンで取り扱っているモザイク画の裏面を見ていただくとお分りいただけるのですが、裏面は
繊維を糊で固めて石の剥がれを防いでいます。通常はモルタルなどと使うのですが、そうするとものすごく
重くなってしまい、持ち歩きには甚だ不向き。ざっくりとした布のような繊維のシートを表に貼り、
薬品で固め、それをひっくり返して裏面にし、下書きの紙を剥がして、まだ新しい石の表面に企業秘密の
粉や薬品を塗ってバーナーで炙って固め、乾いたらグラインダーで磨き、余計な厚みを取りつつ石の内部の良さを
引き出す、と言う手間のかかる工程・・・
実際に石を貼るよりよほど大変な裏方仕事、縁の下の力持ち作業。
側で見ているととても危険に思われてハラハラしてしまいますが、興味津々で見つめ、一つ一つに感心して
歓声をあげる私たちが嬉しかったのか、モハメドさんいろいろと説明しながら満面の笑みでスイスイ作業。
お料理でいう「面取り」のように円版の外周もちゃんとも削って角を滑らかにしてあります。
素晴らしい。
こうした紆余曲折を経て、三人三様のモザイク画が出来上がりました!
このように、出来立てホヤホヤ感をなくし、こなれた感じを出す作業がしっかり行われているからこその味わい。
さすがに先生の作品は端正に出来上がってます。(ちなみに私の作品は真ん中のもの。)
比べてみると、技量はもちろん、感覚、性格や人となり(ちょっと大げさですが)が反映されていて興味深いです。
自分で作ったモザイクを家で眺めるのもまた格別です。
チュニジアのモザイク、チュニスのバルドー美術館のほか、スース、エル・ジェムでもバルドーに勝るとも劣らない素晴らしいものを
ご覧いただけます。実際にモハメドさんとモザイクづくりを体験すれば、また想いも深まり、壮大なチュニジアの歴史の一部に
なったような気分も味わえますので、旅のアクティビティとしてお勧めです。
そうは言っても、チュニジアへ旅しよう! はなかなかハードル高いので、まずはダールヤスミンの店頭にありますモザイク画を
お手に取って見てくださいね。(S)
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